VICTORIA(ドイツ映画)
夜中から白々と夜が明けるまでの2時間20分。
事件に巻き込まれ一夜にして人生が変わってしまうヴィクトリアからカメラ
は離れることなく、夜明けのベルリンの街もリアルタイムで映しだされる。
撮っているカメラが物語の中に存在するもう一人の誰かのように思える。
始まりは“140分ワンカット”という手法に引っ張られて観ているものの中盤
からは物語に引き込まれ、ヴィクトリアたちが警察に追われ逃げるシーンは
自分も一緒に逃げているような臨場感があった。
こんな映画の撮り方って今まであったのだろうか。これまでとは全く違う感
覚の映画を観たというかんじ。映画革命というと大げさだろうか。
エンドロールの最初には俳優でもなく監督でもなく、撮影監督(ストゥルラ・
ブラント・グロヴレン)の名前がクレジットされたことにも拍手を送りたい。