今年はエドワード・ヤンの傑作*から始まり台湾映画を数本観た。
中でも〔悲情城市〕は何日も何日もその哀しみが身体の片隅に
住みつき忘れられないものになった。
1947年2月28日から1987年7月15日戒厳令解除までの40年の間に
何人が逮捕され、投獄され死刑になったのか。
侯孝賢は戒厳令解除からわずか二年後の1989年に〔悲情城市〕を撮った。
長い間、公に語られることのなかった二・二八事件を描いている。
ヴェネツィア映画祭ではこの作品に金獅子賞という最高の栄誉が与えられ、
その後、舞台となった九份はこの作品の成功により屈指の観光地になった。
〔悲情城市〕の冒頭は九份のこんな風景からはじまる。
もし、映画を観ていなければ普通の綺麗な景色として通り過ぎると
思うけれど、映画のおかげでテーマ曲も蘇り、心に染みる特別な
風景だった。
撮影に使われた店。映画のヒットにより店の名前を
「悲情城市」とかえて営業中。チャーハンおいしかった♪
入場無料で自由に鑑賞できる。
歴史のある古い劇場でレトロな雰囲気がとてもすてき。
できることならこの劇場で〔悲情城市〕を観たかった!
ランタンに灯りがともると〔千と千尋の神隠し〕が脳裏を霞める。
土産店ではカオナシの人形があちこちに並んでいた^^
台北之家
元アメリカ大使館だった建物は侯孝賢がプロデュースする
ミニシアターになっている。中にあるカフェの名前は侯孝賢自身の
映画のタイトルがつけられている。
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明星珈琲館(2F)
珈琲館といっても2Fでは本格的なロシア料理をいただける。
台湾ニューシネマの映画人たちのミーティング場所でもあったとか。
明星珈琲館の入り口階段
みんなこの階段を上ったのだな。
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いよいよ牯嶺街へ
今は古切手や古葉書などを売っている店が多い。
“ 牯嶺街 ”の3文字を見つける度にiphoneをとりだす^^
牯嶺街から歩いて建国中学へ
守衛のおじさんが、入り口廻りならどうぞと許可をもらい
写真を撮らせてもらった。
上級生の少年がおこした事件だった。それから30年後に
〔牯嶺街少年殺人事件〕を撮った。
もう一度、エドワード・ヤンの言葉
「歴史の授業で教えられることに私が不信をぬぐえないのは、
自分が個人的に経験してきたことが歴史には記録されていないからだ」