2018年3月26日月曜日

馬を放つ


何年ぶりかの岩波ホールで『馬を放つ』を観た。

監督はアクタン・アリム・クバト

監督の故郷キルギスを舞台に、土地に古くから伝わる伝説を信じて
夜な夜な馬を盗んでは野に放つ男 “ケンタウロス”の姿を描く。
この寡黙な“ケンタウロス”を監督自身が演じている。

東京フィルメックスでのインタビュー記事によると、
物語は、監督が生まれた村で起こった実話がモデルになっているという。
イスラムの礼拝が行われる建物は、かつては映画館だったのかなと思わせる
シーンがあったのだが、実際にもあちこちの村にあった映画館が
モスクとして使われるようになったのだという。

キルギスがソビエト連邦の共和国のひとつだった時代
キルギスには大きな映画スタジオもあり、素晴らしい作品が作られていた。
監督の敬愛するトロムーシュ・オケーエフの『赤いりんご』も
そのひとつだという。劇中、何気なく映るポスターや映像は
『赤いりんご』だったのね。1976年の映画。いつか観られるといいな。