2023年6月18日日曜日

タレンタイム 優しい歌

 


2009年7月、脳内出血で51歳の若さでこの世を去った
マレーシアの才媛、ヤスミン・アフマド監督の作品二本立。
遺作となった『タレンタイム 優しい歌』(2009年)と
『細い目』(2004年)

『タレンタイム〜』の評判はよく目にしていたので
スクリーンにかかると知ってこの数週間はワクワクしながら
初日に目黒シネマに出かけた。

マレー系、中華系、インド系など多民族国家のマレーシア。
この映画もマレー語、広東語、英語と混在している。
マレーシアの映画やドラマはほとんどがマレー語で製作されて
いたのでヤスミン監督の映画に人々は驚いたらしい。

音楽コンクール“タレンタイム”に臨む学生達の
瑞々しい青春群像でもあり(エドワード・ヤンを彷彿させる)
人種や宗教、価値観の隔たりという重めのテーマも描いている。
それでも時にはユーモアがあってクスっとしてしまう場面も。

ムルーが奏でる旋律の美しいピアノ曲、
ハフィズのギターと歌声がやけに耳に残る。

遺作にして最高傑作、正にその通りだと思う。