沖縄本島から日帰りで行ける久高島(くだかじま)は
神の島といわれている。
旅にでる前、偶然にも東京では『岡本太郎の沖縄』*が開催されていて
当時(1959年)の久高島の写真や、復帰前の貴重な映像も観ることができた。
久高島に行ってきなさい!と背中を押されたようなものだ。
安座真港の待合室を兼ねた小さな売店で久高島の
写真集(見本)を眺めながら船を待つ。
船はフェリーくだか。冷房が効いて快適な上に
たった25分で着いた。高速船ならもっと早く15分。
島は周囲約8Km。人口は300人余。
港の貸し自転車屋で電動自転車を調達した。
かんかん照りの太陽とゆるやかに起伏のある道のりという
だけで熱中症になりそう、多少割高でも楽チンな電動にし
て結果よかった。(レンタル一日1600円)
イシキ浜の入り口
細い道を抜けると
イシキ浜にでる
ここは五穀のタネが入った壷が流れてきた浜。
それから久高島、沖縄本島と穀物が広まったとされる伝説の浜。
魂が帰る場所ともいわれている。かつては琉球国王も訪れていた
とても神聖な浜だそうだ。
島人をほとんど見かけないとても静かな島。
暑いからといって、人がいないからといって水着姿や上半身裸で
歩くのは禁じられている。
御殿庭(うどんみやー)
島の祭り「イザイホー」の主祭場。「イザイホー」の時には建物の
裏にある森の奥に女たちが籠もり、霊力を授かって神女として戻る
とされている神聖な場。
外間殿(ふかまどぅん)
島のほとんどの行事が行われる祭祀場
御嶽(うたき)
自然崇拝が信仰の中心で、神社などのお社ではなく自然の中に
祈りの場、御嶽がある。何もないちょっとした広場のようなところ
にあるため、知らずにズカズカと入ってしまう人達もいるようだ。
ここの御嶽の前に着いた時、辺りは静けさに包まれていた。
木陰でひとしきり涼んで写真を撮りはじめた頃、鳥が次々に鳴きだし
風が吹き、木の葉がワサワサと揺れた。
直感的に、長居をしてはいけないのだなと感じ
お礼をいって自転車に乗った。
メーギ浜へ抜ける樹々のトンネル
島で唯一遊泳が許可されているメーギ浜
珊瑚や石、貝など島から持ち帰ることも禁じられている。
メーギ浜に咲いていた紫のきれいな花。
あとで調べたら「ハマゴウ」という花だった。
灼熱の太陽の下でもしんなりせず強い花だ。
島の人々は、土地は神様から借りているものと考え、
誰ひとり私有するものではない、誰のものでもないという。
神にはお願いごとをするのではなく、日々感謝の気持ちを
持つことが大事なのだとも。まさに見えないものを敬うこと。
そんな島人の精神も含めここは聖域なのだなと感じる。
沖縄であるべきで沖縄の独自性を貫く覚悟をすべきだ。
決して、いわゆる「本土なみ」などになってはならない、ということを。』
〜 岡本太郎の沖縄より〜